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福岡県立筑紫高等学校

言語活動研究発表

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新学習指導要領の主旨を踏まえた教育実践

 

「PISA型読解力の向上を図る指導法の研究~教科横断的な言語活動の充実を通して~」

 

          福岡県立筑紫高等学校

 

 

はじめに

 本校は、昭和48年に開校し、平成24年に創立40周年を迎えた、普通科高校です。「創造・敬愛・剛健」の校訓の下、「師弟同行」を校是として、文の鍛錬・武の鍛錬を通し、「志」ある人間の育成を図っています。本校は、平成23・24年度の2年間、国立教育政策研究所から教育課程研究指定校事業の委嘱を受け、39期生(現3年生)を対象に研究活動に取り組みました。

 

研究主題設定の理由

 新学習指導要領では、各教科における「言語活動の充実」が求められていますが、言語活動は、各教科等における目標の実現、内容の習得、とりわけ思考力・判断力・表現力を身に付けることに資するものでなければなりません。このことを受け、本校では、言語活動の充実を、生きる力を身に付けさせ、国際社会で活躍できる有為な人材を育成するという視点からとらえ、PISA型読解力の向上に、教科横断で取り組むことにしました。

 

始業前10分間の取組

 朝の始業前10分間を利用し、プリント学習(言霊〈ことだま〉と命名)を毎日継続して実施しました。プリントには新聞のコラムや社説を掲載し、要約又は理由・根拠を付した意見を書くことを中心に取り組ませました。論理的な文書を読ませるために、題材をコラムから社説に変更し、対立する複数の社説を要約させた上で、各社説に賛成か反対か、立場を明確にして意見を書くように指導しました。

 

各教科での取組

 各教科の授業では、グループ討議、ペアワーク、スピーチ、発表、レポート作成等の言語活動を数多く設定しました。研究授業では、観点別評価規準を明示した学習指導案を作成し、知識・理解に偏重した授業からの脱却を図りました。また、「言霊」の取組と連動した授業計画や考査問題を作成し、読解力向上へ向けた相乗効果をねらいました。

                   グループで話し合う生徒

 

小論文講座の取組

 総合的な学習の時間やホームルーム活動の時間を利用し、広く深く情報を収集させ、他者との意見交換の中から自分の考えを高めさせていく、小論文の指導を実施しました。生徒の希望進路によって、10の分野に分かれた講座では、クリティカルに思考させ、問題の本質と解決策を探究させました。

                 学習内容を発表する生徒

 

その他の言語活動

 小論文コンクール・新聞コンクール・税の作文コンクール・ハッピーニュースコンクール等に学年全体で応募し、団体・個人ともに、数々の入賞を果たしました。又、学年スピーチコンテストを二度開催しましたが、その原稿は様々な新聞の投書欄に応募し、20を越える原稿が各紙に掲載されました。又、新聞社出前講座・新聞セミナー・社会人講演会・OB座談会等を開催し、校外の方々の話を聞く研修の機会を設定することで、社会に対する幅広い視野を培うように促しました。

               文化祭で英語のスピーチをする生徒

 

職員研修会の実施

 大学の研究者を講師として招聘し、5回の職員研修会を開催し、PISA型読解力の意義とその向上の方策について学びました。又、文部科学省の視学官や国立教育政策研究所の調査官による4回の訪問指導で、教師が説明し生徒が聞くという「チョークとトーク」による授業から、生徒が主体的に学ぶ対話型の授業への転換の必要性を痛感させられました。

 

生徒へのアンケート調査

 平成23年4月と12月、平成24年10月に、読む・書く・話す・聞くことについての生徒の意識・態度の変容や、新聞を読む時間・読書時間の変化や、どんな言語活動によってどんな力が向上したか等を調査し、研究の成果と問題点を検証しました。

 

研究の成果

 成果の第一は、6割の生徒が思考力・判断力・表現力の向上を実感できたことです。その理由として、8割の生徒が教科の授業を、7割の生徒が「言霊」を、5割の生徒が小論文の指導を挙げました。成果の第二は、教職員が、指導の目標と評価規準を意識し、知識・理解偏重の授業から、4観点を網羅的に評価する授業へと、姿勢を転換したことです。

 

今後の課題

 今後は、同様の取組を学校全体に広げ、年間を通した言語活動を定着させるとともに、教科担当者と学級担任と学校司書等が連携して、授業や総合的な学習の時間や学校行事等で、言語活動の更なる発展を目指します。

 

 

 

 

 

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