令和 2 年度 筑紫アカデミックツアー
筑紫アカデミックツアーは、大学と筑紫高校とが高大連携を図り、筑紫生のために講義・実験等を行ってもらう筑紫高校独自の企画です。難関大へのチャレンジや、より高い目標を持って学習に取り組んでいくとともに、高い意識で今後の高校生活を送っていく「志」を育てることがねらいです。 昨年度に引き続き、実験・講義を通して幅広い分野を学ぶこと、さらに学生との交流を通して大学での学びについて深く考えることを重視しました。今年は新型コロナウイルス感染症の影響のため、8月に予定していたプログラムを3月に延期しましたが、山口大学、北九州市立大学を訪問し、充実した研修を行うことができました。 期日:令和3年3月25日(木)~3月26日(金) (1泊2日) 参加者:2・1年生希望者 40名
【出発式】 感染予防のため、2台のバスに分乗して山口まで向かいます。
【第1日目 3月25日(木):山口大学訪問】 ●山口大学 ①学校概要説明 坂口有人先生(副学長補佐) 「大学を選ぶ際に考えておくこと」「人はなぜ学ぶのか」といった話を踏まえながらご説明して頂きました。
<生徒感想抜粋> ・今の自分の偏差値ではなく、自分の好きなことや興味のあることを見つけて、それを学ぶために周りの環境や大学の独自性を考えて大学選びをする。より専門的な知識を身につけることで社会を生き抜く力をつけるため。大学での学びを4年間で留めず、社会貢献まで広い視野を持つことで幅広い行動に繋がるから。(2年女子) ・候補に入れてなかった大学でも説明を聞くことで、その大学のことだけではなく、すべての大学に共通していることなど大学そのものについて知ることができ、志望校選択に役立てることができるので、たくさんオープンキャンパスに参加したほうがいいなと思った。(2年女子) ・なぜ勉強するのかに関しては、せっかく知性を持った『人間』に生まれたなら、よりたくさんの知識を得て、より濃い人生にするために勉強するのだということを、今日ふと考えることができました。勉強というのが、単に問題を解くということではなく、生きて行く中で、新しいことに出会い、知識を得ることも『勉強』だと考えることができるようになりました。(2年男子)
②学部訪問 経済学部・国際総合科学部・農学部・理学部に分かれて講義を受けました。 〇経済学部:准教授 松田温郎先生 「山口大学経済学部のススメ」、在学生から「大学での学びについて」 マーケティングの考え方についての講義が行われました。
<生徒感想抜粋> ・模擬授業では私の興味のあるマーケティングについて学びました。現代の商売では利便さだけでなく可愛さが求められるなど、時代によってニーズは変わり価値は一定でなくそれに合わせた商品を開発することを聞き、その時代の流行りなどを把握するためにもニュースや情報を得る必要があるなと思ったので今のうちからニュースや新聞をチェックするようにしたいです。 (2年女子) 〇国際総合科学部:准教授 山田隆志先生 「国際総合科学部紹介、オークション体験」 模擬授業では「オークション」を体験しました。
<生徒感想抜粋> ・どの学校でも学部でも共通して求められるのは、コミュニケーション力、強調性、意欲のある人だとわかった。だから、今のうちにその能力を磨いておこうと思う。(2年女子) ・今回の模擬講義では、オークションを元にした題材でした。講義+実験のような形式で、講義の内容が裏付けされていくような感じでとてもおもしろかったです。(2年男子) 〇農学部:学部概要説明、植物工場見学 光を使用した屋内での栽培方法は世界的にも注目を集めています。
<生徒感想抜粋> ・牧場やビニールハウス、水田などもあり、日頃使うことのできない機械に触れることが出来ることに興味を持ちました。(2年女子)
〇理学部:准教授 上野秀一先生、講師 堀川裕加先生 レーザーポインターを用いた散乱光、砂糖水の糖度測定などの実験を大学生とともに行いました
<生徒感想抜粋> ・大学で授業を実際に受けてみて、大学の実験は専門的で難しそうな印象がありましたが、高校で学んだことを使うとできたのですごく楽しかったです。そのため、高校の勉強は大学受験の為というより、その後の将来や大学の為にするように意識した方がいいと思いました。(2年女子) ③ミーティング:1日目の夜に、全体ミーティングを行い、「大学選びで何を大切にするか」「なぜ学ぶのか」「学部訪問で学んだこと」「本日の課題点と明日への改善点」「本日の良かったこと」などをグループで話し合い、全体で共有しました。
【第2日目 3月26日(金):門司港レトロ視察・北九州市立大学訪問】
●北九州市立大学 [文系] ①英米学科 准教授 雪丸尚美先生 講義「SECOND LANGUAGE ACQUISITION」
<生徒感想抜粋> ・小学校からずっと英語を習っているのに全く身についている気がせず、最近諦めモードになっていました。しかし、そもそも、習得するための時間が十分でないことが分かり、「こんなところで諦めていてどうする!!」という気持ちになりました。だから今後は多少辛いことがあっても、まだまだ勉強時間が足りないんだ!と頑張りたいです。(1年男子)
②地域創生学群 准教授 廣川祐司先生 講義「地域創生学群の学び方」、大学生によるプレゼンテーション
<生徒感想抜粋> ・大学の先輩は私たちが出した意見に対して一つ一つ丁寧にまとめてくれたり、さらに質問してくれたりしました。そうするとみんな話そうという雰囲気が出ていい活動が出来ました。大学の先輩と同じようにはできないかもしれませんが、これから私は、意見を出して終わりではなく、相手の意見と自分の意見を結びつけながらより良いグループ活動にしようと思います。(2年女子)
③卒業生からの講演、キャンパスツアー
<生徒感想抜粋> ・自分が本当に行きたい大学や学科をなるべく早く決めるために、自分で細かい部分まで調べたり、どの教科を重点的に勉強するべきかや、1日のスケジュールなど、進路を実現する為の道のりを可視化したりしたいです。また、第一志望校を決めたら、最後まで諦めずに勉強し続けて合格したいです。(2年女子) [理系] ①講義 機械システム工学科 教授 宮里義昭先生 「音速を超える空気の流れを物理の目で視る」
<生徒感想抜粋> ・模擬講義で宮里義昭先生が「やりたいことがないのではなく、まだ見つかってないだけだ。」とおっしゃっていたのが印象に残っています。まだまだ自分には知らないことがたくさんあるので、イベント等に積極的に参加してたくさんの職業を知ろうとしたり、好きなことを見つけようとする気持ちを常に持ち、意欲的に行動したりすることが就職活動において重要だと思いました。(2年女子) ・もの作りには、熱力学、機械工学、材料力学、流体力学の全てが必要だということを知った。数学的に解くと成り立つ問題でも流体力学を考慮すると答えが変わってくるということが面白いと思った。(2年女子)
②実験 エネルギー循環化学科 教授 安井英斎先生 「排水処理施設から採取した活性汚泥の顕微鏡観察と酸素吸収速度の測定」
<生徒感想抜粋> ・酸素吸収速度の実験は今の環境問題を解決する上でどのように活用されているのか気になりました。顕微鏡観察では活性汚泥内で生息している原生動物や小型の後生動物を観察しました。なかなか見られない生物を観察しましたが、もっとその生物の特徴等も調べてみたいです。(2年女子) ・酸素吸収速度の実験では留学生の先輩と交流があって実際に英語で話すのはとても難しかったが、留学生の先輩が言っていることは何となくだが分かるようになった。(2年男子)
③実験 情報システム工学科 講師 玉田靖明先生 「プログラミングで絵を描こう」
<生徒感想抜粋> ・プログラミングは単純な操作を色々なことと組み合わせることでできるということが分かりました。活用するやり方は難しく、組み合わせ方を考えることが大変でしたが、技術や考え方を身につけることで社会に役立つものを作ることができ、人々が安心して暮らせる社会づくりに貢献出来ると思います。(2年女子)
③実験 建築デザイン学科 准教授 保木和明先生 「パスタで作る構造模型の強さコンテスト
<生徒感想抜粋> ・建物やまちなどの設計で私たちの身近にある日常やライフスタイルを形成することができて、考え方一つ一つ、組み替え方、形、一つ一つで強度が変わってくることを知れた。この原理があるから、壊れないなどの考え方があれば家の建物や様々な建物を見ることが楽しみになると思う。(2年女子)
④学生との交流
<生徒感想抜粋> ・大学受験はひたすらやるしかないと思った。 自分で勝手に限界を決めて諦めずに、最後までやりきることが大切だと思った。大学生活はとても楽しそうで、学生さんはみんなすごくきらきらしていて、自分の知らない世界が広がっていた。自分の知らなかった世界があることに気付かされて、自分が見ている世界が全てと思わず、視野を広げて未来に希望を持っていきたい。(2年女子) 【全体を振り返っての感想】 ①参加者に筑紫アカデミックツアーでの活動を振り返って、キャッチコピーを作ってもらいました。 ・大学どうしよう、、。ちょっとでも迷ったら参加しろ!! (1年男子・文系) ・直接聞ける幸せ!目の前に浮かぶ数年後の自分の姿!! (2年女子・文系) ・いろんなものを染み込ませたスポンジになった2日間(2年男子・文系) ・大学生になった自分が見えてくる旅(2年男子・理系) ・学ぶ筑紫(2年男子・理系) ・大学について詳しくなって周りと一歩差をつけられる!(2年女子・理系) ・夢追う大学生の輝く背中 夢見るわたしたちの輝く目(2年女子・理系)
②筑紫アカデミックツアーでの学びを踏まえてこれからの残りの学校生活をどのように過ごしますか? ・私はまだ2年ある中で今回のツアーに参加することができたので既に周りと差をつけることができていると思います。これからはその差を縮められないようにというよりは離せるように頑張りたいです。そのために、定期考査に向けた学習ではなく、受検を見据えた学習をしていきたいです。(1年男子・文系)
・自分で考えて小さな疑問でも分からないことでも質問することや主体性を持って行動することの大切さ、自分の興味のあること、好きなことを見つけることの大きな必要性などを自分の力にできるようにしたい。(2年女子・理系)
・今回のアカデミックツアーで、行ったからこそ得られたことはたくさんありました。それによって、もっと将来に対する視野も広げることが出来たし、楽しかった経験から自分はこういうことも好きなんだと気づくことが出来ました。今回学べたことをアカデミックツアーに行っていない人にも伝えたいし、広い視野を持つことの大切さを学んだので、今後の進路選択にも生かしていきたいです。(2年女子・理系)
・自分の人生の大きな選択に変化が起きました。今まだ第1志望が確立しておらず勉強時間も全然足りていない状況にあるので、まず春休みのうちに沢山大学を調べ、自分の学びたいことを学べる大学を調べ、目標を明確にすることで勉強のやる気を出したいと思います。また、日常生活の中でもコミュニケーション能力を高めるために、傾聴の姿勢を意識して個人個人の価値観を尊重し、人としても成長しながらかっこいい大学生になる準備をします。(2年女子・文系)
・この2日間で、「主体的に学ぶ」ことの大切さを学んだので普段の授業でも受け身になるのではなく、能動的に授業を受けていきたい。また、受験勉強で苦しくなっても先輩方の話を思い出して最後まであきらめず頑張りたい。(2年男子・理系)
・まずは自分の視野を広げて生活していきたい。いろいろな人の意見や価値観を受け入れ、その人の立場になって考えてみたい。簡単に諦めるのではなく、自分の納得のいく結果が出るまで挑戦や考えることをやめないということをしていきたい。(2年女子・理系)
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